Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
「でも、お鈴さんを疑ったりしちゃいけません。良い娘なんですもの。そして私を一番よく世話をしてくれます」
お夢は眼を細くしてそう言うのでした。
「これがお鈴で」
八五郎が連れて来たのは、十七になったばかりの娘太夫のお鈴でした。美しくも何んともありませんが、白粉気のない顔は健康そうでよく伸びた四肢、にっこりすると邪念のない笑顔が、それはそれは可愛らしい娘でした。
このお鈴という娘は両国では決して新しい顔ではありませんが、身体も心持も女になりきってからは芸にも人柄にも、顔にまでも魅力が出来て、その達者な踊と、歌と、素晴らしい綱渡りの曲芸で姉分のお夢の人気を圧するほどの人気者になりつつある――ということを、これも後で平次が知ったことです。
「お前は、昨夜の騒ぎの時どこに居たんだ」
「二階にいました」
振り仰ぐと二階と言っても、揚幕一枚をブラ下げたむき出しの吊二階で、そこから火鉢を滑らせさえすれば、下に寝ているお夢の頭の上に落ちるのは必然です。尤もお夢の顔を狙って落すには、多少の手加減が必要だったことでしょう。
「二階で何をしていたんだ」
「いろいろ片付けものをして居ました。