Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
小左衛門に案内させて行くと、綱の端は舞台の上を通って楽屋の二階の梁に結ばれたものですが、その梁のところの結び目に、抜刀の匕首を挟んであったそうで、綱の上に乗って、いろいろの芸をしたお鈴が、真ん中のあたりで芸の最高頂に達し、千番に一番の兼ね合い、綱を波のように揺りながら、大波小波か何んかをやったとき、非常な力が綱に加わり、結び目に挟んだ匕首が働いて、さしもに丈夫な綱を切ってしまったのでしょう。
お鈴はそのとき、一輪の花のように、横様にお客席に落ちました。綱を揺ぶった弾みで、足が宙に浮き、お鈴の至芸でも、どうすることも出来なかった様子です。高さは舞台の上で三間半、土間の上で三間くらい、幸い客には大した怪我もなかったのですが、お鈴はひどく頭を打って気を喪なった上土間の渡り板に足を挟んで右足を折ったらしく、癒ったところで、綱渡りの曲芸などは、生涯出来ないかも知れないと、骨接ぎも外科も言って居るのでした。
「可哀想なことをしました。あの通り芸が達者な上、人柄もよくいかにも可愛らしい娘で、大変な人気でございました」
座頭の小左衛門は独り言のように言うのです。