Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
「勝手にしやがれ」
平次は井戸端で手を洗って、手軽に着換えました。麻裏を穿いて、白磨きの十手を懐ろに落します。
「お琴はちょいと逆立ちをして見せただけ、あとは大した苦労もなく、ツ、ツと真一文字に欄干を伝わりましたよ、扇子も掛け声もなく、素人娘は地味でしたが、欄干の半ばに行くと、お琴は打ち貫かれたように、ハッと欄干に立ち止まりました。黄八丈がぐらりとして橋の上へ横っ倒しに落ちるかと思うと、お琴は直ぐさま立ち直って、欄干を一気に渡り切って向う岸へ着きましたよ、その鮮かさと言うことは」
「沢屋はそれから何うしたんだ、もう支度は出来ているぜ」
平次はせっかちらしく促します。
「もう少し訊いて下さい、沢屋の三郎兵衛は二た時も前に、虫のように殺されているんだ。あわてたところで、生き返る気遣はない」
「仕様のない野郎だ」
「日本橋の欄干は広いから、少し器用なものは誰でも渡れますよ。ところが、お琴に日本橋を渡らせた当の敵役の浅田屋浴平は人に顔を見られるのが嫌さに顔を見せませんでしたよ、尤も橋詰の小料理屋を借りて、障子の中から見ているという事だが、金持が金をひけらかすと、後では引込みの付かない事になりますね」