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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

橋の上の女 ――銭形平次傑作選2

野村 胡堂

Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme

Aozora Bunko

八五郎は牛込からこの吉報を持って、一気に駆けて来たのでしょう、まだ紛々としております。

「俺のところにも見せるものがある、お前の話を神妙に聴いてこれの持ち主がわかったよ」

そう言いながら出したのは手拭に包んだ、泥だらけの匕首でした。そして、

「――よく見るがいい、その匕首には血もついている筈だ」

「誰のです? この匕首は?」

「気の毒だがお種のだよ」

「――――」

「へっつい横丁の家から抜け出して、兵二郎を殺した帰り道、この匕首だけを下水にたたき込んだ、やり場がなかったのだろう、鞘だけはお種の家に隠してあるはずだ。お前が気がつく人間なら、絡みついたとき腰のあたりを捜して見るところさ、夢中になって一杯飲んで居ちゃそこまでは気が廻るめえ」

「するとお種が?」

「お前は御用聞だ、腰には十手も捕縄も用意してある、――宜いか、八。詳しく話そう、お種は兵二郎を怨んでいたのさ、間がよくばと思ったかも知れない。あの晩、若い人たちはみんな市ガ谷八幡へ行った。留守番のお種は雇婆さんを誤魔化してお勝手から抜け出し、そっと茶の木稲荷へ行ったのだよ、兵二郎は笛を吹いていた、笛は二本の手で吹くものだ、手は二本共塞がっている、そこへ忍び寄ったお種は後ろから声ぐらいはかけたかもしれない、笛で夢中になっている兵二郎は振り向いても見なかった。