Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
私の許しがなければ、一と足も外へは出られないように、座敷牢と申しては大袈裟ですが、一と間に押し籠め、厳重な見張りをつけたのでございます」
「――――」
「だが、若い男と女は、どんな工夫をしても思いのたけを言い交します。伜も、どうして鍵を持出したか、座敷牢を抜け出し、表も裏も見張りが厳重で出られないので、庭の池から、水門をくぐって隅田川へ出た様子です。庭の池は潮入で、水門一つで隅田川に通じます。池には小さい釣舟がありましたので、それを漕いで出たようで、まったく呆れ果てたことでございます。そのうえ、前の日の夕方に用意した、五百両の小判を、風呂敷包にして持出したようで、小判と風呂敷がないので、あとでそれを知りましたが――」
主人徳兵衛の話はかなり長いものでしたが、大店の主人らしく、伜の放埒と不心得を苦々しがりながらも、涙を含んだ調子は争うべくもありません。
「お店の様子では、お葬いはまだのようで」
「検屍に手間取って、伜を引取ったのは昨夜でした。それから入棺をしたり、お通夜をしたり、親類たちを集めたり、今日はようやくお葬いを出すことになりました」
「それでは、仏様を拝まして下さい」