Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
「すまねえが、ちょいと、家の中を見せて貰いたいが」
「え、え、どうぞ、金の茶釜も錦の小袖もありゃしません。私は家捜しされるのを、指をくわえて見ているのも変ですから、ちょいと遊びに出て来ます」
お銀はそう言って、粋な着流しのまま、気取ったポーズで外へ出てしまいました。
平次と八五郎は、その留守で、手いっぱいに家中を捜し廻りましたが、なかなかに洒落た着物と、少しばかりの小遣のほかに、大した貯えもなく、これはまったく平次の当て違いでした。
「ちょっとちょっと、お前はいつ頃からここに居るんだ」
平次はお松に訊ねました。
「去年の春からおりますよ」
「たいそう繁昌するようだな」
「それ程でもありませんが」
「伊豆屋の若旦那はチョイチョイ来たようだな」
「去年の秋から、今年の春へかけてよく来ましたよ。三月になってからは、押し籠められたそうで、一度も顔を見せません」
「本当に一度も来ないのか」
「それは確かですよ。来ると、私が追い出されて、その代り小粒一つずつ貰いましたから、忘れるわけはありません」
「なるほどそれは忘れっこはない、――ところでお銀は外へ出ないのか」
「滅多に出ませんよ」