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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

その時は間違いなく、ほんものの海蛇だったのです。それが外してみると、……いいえ、外してもまだ、わからなかったのです。金庫へしまおうとして、掌に載せた感触が、どうもおかしいなと気が付いて、よくよく見たら色といい形といい、似ても似つかぬ偽物だったのです。そんなものをかけて大勢のお客様方に御挨拶申し上げていたかと思うと、まったく穴あらば、入りたいくらいです」

と肥った未亡人は苦り切っている。

「これが、その偽物です」

と腹立たしげに、卓子の端に載っている紙包みを開いて見せた。いかなる紛い宝石よりも、ダイヤの真を写すものは硝子だといわれているだけあって、白金の鎖に鏤めてあるものは、ことごとく硝子玉ばかりである。しかし、キラキラと光芒を曳いて、取るにも足らぬ硝子玉が、なかなか立派に見える。色沢といい、精巧度といい、犯人はもちろん初めから、海蛇を狙ってこの偽物を準備したものであろう。白金鎖も、絡み合った二匹の蛇体を象っている。

会場なぞで、この堂々たる恰幅の未亡人が着けていたら、誰でもほんものと見誤ったかも知れぬ。ふだん見慣れている当主夫妻でさえ、母親の騒ぎ出すまでは、気が付かなかったという。