Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
そして時々それを手に握っておいでになるということがよく噂されている。
「この女中は、もう詮議するところもないですな、正直そうな女だ」
とロヴィーサの出て行った後で、オーゲが呻くように言った。
「未亡人と廊下を歩いていられる殿下と、二階から降りて来られた殿下と、お二人あるということになる。これがわかると、事件の決め手が付くのだが……」
「まだあるわよ、オーゲ! 二階で飛行機を拵えてるヨアンネスと、階下で未亡人と話してるヨアンネスと……この解決が付くとねえ……」と嬢も眼を閉じて、鉛筆の尖で、机を突ついた。ビョルゲ事件が初めから混迷していたごとく、この事件もまた最初から手の付けようもない混沌さを見せてきた。外部から賊が侵入したのでもなければ、金庫の中でスリ換わったのでもないとすれば、これらの証言に基づいて捜索してゆくほかはないが、ともかく初めから非常な難航を予想させている。
もちろんこの小間使のロヴィーサの身許もエッベを飛ばせてスグ洗い立てさせる。この女は公爵邸へ来るまでは、コペンハーゲン市西南へ二十七哩、ロシデ在の貸自動車屋で、女中奉公をしていた。エッベが車を飛ばして、そこへ調べに行く。