Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
「あの娘が、何かしでかしましたかい?」
と自動車屋のオヤジがびっくりして、眼を円くする。
「正直まっとうな、あんな安心のできる人間は、ありませんや。家にいてもらいたくてしようがねえんですがね。当人が何が何でも、都の空気を吸いてえって! それで暇を取ったんでさァ。時にあの娘が、何をしましたかい?」
当人が何をしでかしたというのではないが実はかくかくしかじかでと、まさか頸飾り盗難を明らさまにも語れぬから、適当に口実を拵えて、主人はこう言ってるが当人はこう言ってると、告げる。
「ロヴィーサの言ってることにゃ、絶対間違いありませんや!」
とオヤジにとっては双方の言い分の、白も黒もあったものではない。
「あの娘がウソなんぞ吐いたことは、ありゃしませんや。そんなわからねえことを言ってるんなら、公爵も伯爵もあったもんじゃねえ、そんな家はさっさと暇を取って、こっちへ来てくれ、こっちゃ待ってるんだと、そう言っておくんなさえ。また子が生まれて、あの娘に帰って来てもらいたくて、しようがねえんでさア!」
ここまで前の主人に信用されている人間というものは、大したものであった。それだけにロヴィーサという女がウソをいう人間でないとわかっただけに、事件の持っている難解さというものは、いよいよ幅を増してきたのであった。