Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
「もちろんです。太子殿下」と思わず私の口からも初めて殿下という言葉が出てきたのであった。「私こそいつまでもその記憶を忘れることはできません、が、しかし殿下!」私は勢い込んだ。「私には事情はよくもわかりませんが、昨晩カパディア氏から聞くところによれば、もしMISS・キャゼリンが引き受けさえすれば、そしてあなたさえ米国留学を御変更になってもっと日本にいたいと仰せになれば、大使館は条件付きで許可すると言っているそうではありませんか。たとえMISS・キャゼリンはお嫌いでも一時の手段としてでもここをなんとか切り抜けてもう少し御滞在になるわけにはゆきませんか?」と無駄とは知りつつも私は力を籠めて太子の顔を打ち見守った。
「誰がそう申しました?」
「MR・カパディアがそう言いました。MISS・キャゼリンから聞いたと言って!」
「大使館がそういう意向だというのですか」
「そうです」と私は頷いた。
「いいえ違います。あなたは何にも御存知ないのです」と太子は静かに、しかし諦め切ったように淋しい微笑を湛えて頭を振られた。「MISS・キャゼリンはそう考えているでしょう……それは大使館があの人にそう思わせているからです。