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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

しかしもう私個人の意志ではどうすることもできないところまできているのです。私の乗る船も明後日のイキトス号と決まっているのです」と太子は愁わしげに瞬かれた。

「あなたの仰有るように、あの人が引き受けるとか、引き受けぬとかいうくらいで変更されるそんな性質の問題でもなければ……また私があの人が好きとか嫌いとか」と太子は面を染められた。「そういう性質の問題でもないのです。私は一度も自分から亜米利加へ行くと言った覚えはありません。しかし、私の国の総理大臣と父王と印度政庁とここの大使館とこの四者間でそう決定してしまったことですから、もう私自身には何とすることもできないのです」

「それなら殿下は……」

初めてこの瞬間に私には大使館の執っている処置の全貌が朧げに飲み込めたような気がして、今更ながらに、変幻極まりない陰険な英国の印度政策のすべてをグザと見せ付けられたような気持がしたのであった。

「もう言っても何にもならぬことですから、そんな話には触れないことにしましょう」と太子は卓上に投げていた私の手の上に静かに両手を重ねられた。「私はもう何事も諦めています。ただあなたにお願いしたいことは、あなたがいつまでも私と私の国との友情を覚えていて下さることだけ……それを私は……」