Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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れもん

檸檬・ある心の風景 他二十編

梶井 基次郎

Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

た。しかしそれがやっとのことで成功したと思うと、方向を変えた猫は今度はのそのそと吉田の寝床の上へあがってそこで丸くなって毛を舐めはじめた。そこへ行けばもう吉田にはどうすることもできない場所である。薄氷を踏むような吉田の呼吸がにわかにずしりと重くなった。吉田はいよいよ母親を起こそうかどうしようかということで抑えていた癇癪を昂ぶらせはじめた。吉田にとってはそれを辛抱することはできなくないことかもしれなかった。しかしその辛抱をしている間はたとえ寝たか寝ないかわからないような睡眠ではあったが、その可能性が全然なくなってしまうことを考えなければならなかった。そしてそれをいつまで持ち耐えなければならないかということはまったく猫次第であり、いつ起きるかしれない母親次第だと思うと、どうしてもそんな馬鹿馬鹿しい辛抱はしきれない気がするのだった。しかし母親を起こすことを考えると、こんな感情を抑えておそらく何度も呼ばなければならないだろうという気持だけでも吉田はまったく大儀な気になってしまうのだった。――しばらくして吉田はこの間から自分で起こしたことのなかった身体をじりじり起こしはじめた。