Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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れもん

檸檬・ある心の風景 他二十編

梶井 基次郎

Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「そうやろがな」

かえって吉田にそれを納得さすような口調でそう言ったなり、別に自分がそれを、言ったことについては何も感じないらしく、またいろいろその娘の話をしながら最後に、

「あの娘はやっぱりあのお婆さんが生きていてやらんことには、――あのお婆さんが死んでからまだ二た月にもならんでなあ」と嘆じて見せるのだった。

三

吉田はその娘の話からいろいろなことを思い出していた。第一に吉田が気付くのは吉田がその町からこちらの田舎へ来てまだ何ヶ月にもならないのに、その間に受けとったその町の人の誰かの死んだという便りの多いことだった。吉田の母は月に一度か二度そこへ行って来るたびに必ずそんな話を持って帰った。そしてそれはたいてい肺病で死んだ人の話なのだった。そしてその話をきいているとそれらの人達の病気にかかって死んでいったまでの期間は非常に短かった。ある学校の先生の娘は半年ほどの間に死んでしまって今はまたその息子が寝ついてしまっていた。通り筋の毛糸雑貨屋の主人はこの間まで店へ据えた毛糸の織機で一日中毛糸を織っていたが、急に死んでしまって、家族がすぐ店を畳んで国へ帰ってしまったそのあとはじきカフエーになってしまった。