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Japanische Klassiker mit Furigana

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れもん

檸檬・ある心の風景 他二十編

梶井 基次郎

Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

て、そしてそれをこの病気で悪い人に会えばくれてやろうという気持には、何かしら堪えがたいものを吉田は感じないではいられないのだった。そしてそんなものをもらってしまって、たいてい自分が嚥まないのはわかっているのに、そのあとをいったいどうするつもりなんだと、吉田は母親のしたことが取り返しのつかないいやなことに思われるのだったが、傍にきいていた吉田の末の弟も

「お母さん、もう今度からそんなこと言うのん嫌でっせ」

と言ったのでなんだか事件が滑稽になって来て、それはそのままに鳧がついてしまったのだった。

この町へ帰って来てしばらくしてから吉田はまた首縊りの縄を「まあ馬鹿なことやと思うて」嚥んでみないかと言われた。それをすすめた人間は大和で塗師をしている男でその縄をどうして手に入れたかという話を吉田にして聞かせた。

それはその町に一人の鰥夫の肺病患者があって、その男は病気が重ったままほとんど手当をする人もなく、一軒の荒ら家に捨て置かれてあったのであるが、とうとう最近になって首を縊って死んでしまった。するとそんな男にでもいろんな借金があって、死んだとなるといろんな債権者がやって来たのであるが、その男に家を貸していた大家がそんな人間を集めてその場でその男の持っていたものを競売にして後仕末をつけることになった。