Japanische Klassiker mit Furigana
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れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme
先に石の橋があって、水が板石とすれすれになっている。その先には川の曲がるところがあって、そこはいつも渦が巻いている所だ。川はそこを曲がって深い沼のような所へ入る。橋か曲がり角で頭を打ちつけるか、流れて行って沼へ沈みでもしようものなら助からないところだった。
兄はいきなり川へ跳び込んで、あとを追った。橋までに捕えるつもりだった。
病気の身だった。それでもやっと橋の手前で捕えることはできた。しかし流れがきつくて橋を力に上ろうと思ってもとうてい駄目だった。板石と水の隙間は、やっと勝子の頭ぐらいは通せるほどだったので、兄は勝子を差し上げながら水を潜り、下手でようやくあがれたのだった。勝子はぐったりとなっていた。逆にしても水を吐かない。兄は気が気でなく、しきりに勝子の名を呼びななら、背中を叩いた。
勝子はけろりと気がついた。気がついたが早いか、立つとすぐ踊り出したりするのだ。兄はばかされたようでなんだか変だった。
「このべべ何としたんや」と言って濡れた衣服をひっぱってみても「知らん」と言っている。足が滑った拍子に気絶しておったので、全く溺れたのではなかったとみえる。