Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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れもん

檸檬・ある心の風景 他二十編

梶井 基次郎

Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

「なるほど、なんだかそれは楽しそうですね。しかしなんという閑かな趣味だろう」

「あっはっは。いや、僕はさっきその崖の上から僕の部屋の窓が見えると言ったでしょう。僕の窓は崖の近くにあって、僕の部屋からはもう崖ばかりしか見えないんです。僕はよくそこから崖路を通る人を注意しているんですが、元来めったに人の通らない路で、通る人があったって、全く僕みたいにそこでながい間町を見ているというような人は決してありません。実際僕みたいな男はよくよくの閑人なんだ」

「ちょっと君。そのレコード止してくれない」聴き手の方の青年はウエイトレスがまたかけはじめた「キャラバン」の方を向いてそう言った。「僕はあのジャッズというやつが大嫌いなんだ。厭だと思い出すととても堪らない」

黙ってウエイトレスは蓄音器をとめた。彼女は断髪をして薄い夏の洋装をしていた。しかしそれには少しもフレッシュなところがなかった。むしろ南京鼠の匂いでもしそうな汚いエキゾティシズムが感じられた。そしてそれはそのカフェがその近所に多く住んでいる下等な西洋人のよく出入りするという噂を、少し陰気に裏書きしていた。

「おい。