Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
Lesen Sie 檸檬・ある心の風景 他二十編 (れもん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.934 Zeichen · 263 Bildschirme
しかしなんという「生きんとする意志」であろう。日なたのなかの彼らは永久に彼らの怡しみを見棄てない。壜のなかのやつも永久に登っては落ち、登っては落ちている。
やがて日が翳りはじめる。高い椎の樹へ隠れるのである。直射光線が気疎い回折光線にうつろいはじめる。彼らの影も私の脛の影も不思議な鮮やかさを帯びて来る。そして私は褞袍をまとって硝子窓を閉しかかるのであった。
午後になると私は読書をすることにしていた。彼らはまたそこへやって来た。彼らは私の読んでいる本へ纒わりついて、私のはぐる頁のためにいつも身体を挾み込まれた。それほど彼らは逃げ足が遅い。逃げ足が遅いだけならまだしも、わずかな紙の重みの下で、あたかも梁に押えられたように、仰向けになったりして藻掻かなければならないのだった。私には彼らを殺す意志がなかった。それでそんなとき――ことに食事のときなどは、彼らの足弱がかえって迷惑になった。食膳のものへとまりに来るときは追う箸をことさら緩っくり動かさなくてはならない。さもないと箸の先で汚ならしくも潰れてしまわないとも限らないのである。しかしそれでもまだそれに弾ねられて汁のなかへ落ち込んだりするのがいた。