Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme
気がつくと右の方で米兵が柵に登って見ているので、自分も真似をしましたとの返事である。少々あきれ返った話だが、その通り訳して聞かせると、ハッピイは「柵に登ることは逃亡と見られる。射殺されても仕方がない。事実比島兵が発見したならば、この兵隊は死人になっているだろう。好奇心は、人間誰でも持っているが、“好奇心が猫を殺した”ということもある。これからそんなことをするなといってくれ給え」といった。当然銃の曳金を引いてもいいのに、「何の為にそんなことをしたのか」まず知ろうとしたところに、ハッピイの人間味がある。
ハッピイはその翌日交代したまま、再び病院に来なかったが、数日後、病院が一哩ばかり離れた仮収容所の一部に移転した時、また出会った。十哩ほど東方にあたるゴンサカという町に近い山中に、日本兵が出没して掠奪を働く、終戦を知らないらしいから、投降勧告に行けという大隊本部の命令で、ゴンサカまで出かけた帰りである。乗っていたジープが仮収容所の入口でとまると、丁度三百名ばかりのPWがバタアン群島の島から着いて、地面に腰を下し、その近くに米兵が数名かたまっていたが「イシが来た!」