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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

僕は乗艦するなり、相当厳重な心得をいい渡された。幸なことに、みんなよくその心得を守ってくれたが、はじめはどうなることかと思った。殊に直接、私に何かと指図する水兵長がものすごく恐ろしい顔で、口の利きようもきびしく、これはえらいことになったぞと、それまでアパリで、あまり呑気にやって来ただけに、心中大きに恐れをいだいたのである。この水兵長がASである。

アパリからマニラまでは二晩かかった。その二晩目、つまり明朝はマニラに入港するという時、ASが僕に「君はコーヒが好きか」と聞いた。「好きだ」と答えると、「砂糖とクリームが入っている方がいいか」とさらにたずねた。「しかり」と僕はいった。「プレンティ・オヴ・クリーム?」「イエス」。それでは明朝、そのようなコーヒをつくってやろうというのである。

船中での食事も、例の Ten-in-one であり、これにはコーヒもココアも入っている。だが、湯というものがなく、リスター・バッグと称するズック製の水袋に、消毒した飲料水が入っているのを使用するので、コーヒにしてもココアにしても、つめたいのしか作ることが出来ない。熱い国のことだから、もちろんそれで結構なんだが、朝の一杯は、フーフー吹いて飲むようなのに、越したことはない。