Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme
一月二十七日〔昭和二十一年〕の朝日新聞(大阪)「声」欄の投書中に「年齢的にも知的にも世情に通ずる点でも君より数段上にある部下に単に軍人としての階級の上位というだけの理由で……」という言葉があったが、部下でもない僕に、単に自分が軍人であるというだけの理由で糞威張りをするのであった。いばられたこと位は屁とも思わないが、上の者ほど仕事をしない(軍隊ばかりでなく、役所でもどこでもそうだ)日本の習慣は、ある階級に達した者が自分で仕事をすると、何だあの野郎はチョコマカして威厳がないという非難を引き起すのだった。上役はふんぞり返って豪傑笑いをしている方が立派でもあり、政治性があるということにもなっていた。その内に時勢が変り、社長が工場廻りをすると、陣頭指揮だといって持上げたりしたが、陣頭指揮はあたり前のことで、面白くもおかしくもない。実際、考えて見ると、下らないことばかりやって戦争に負けたものだ。
またしても道草をくったが、ラロのは本当の仮収容所で、タッギングの終った者は次々にトラックで出て行き日本側としては、病院関係者と、通訳と、T中尉を指揮者とする十数名の使役兵とが、常住することになった。