Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

「これは君に上げる。君は非常によく働いてくれた。それからこれは……」と、機械化部隊の袖章を出した中尉は、「ヨーコにやってくれ給え」といった。いつか家族の話をしたことを記憶していたのであろう。三角形の中に、歩、騎、工の三兵科を示す赤と青と黒の三色があり、その中央にタンクと稲妻とが刺繍してある。僕は心から感謝して、「この袖章は必ず陽子〔著者の娘〕に渡します」といった。

たった一台残ったトラックには、使役兵が全員乗って、僕の来るのを待っていた。G中尉は、僕も船まで行くといってジープに乗りこんだ。G中尉は前日も、またその日の朝も打合せのために、数回河口に行っている。もう行かないでもよさそうなものだが、一人残らず海軍に引渡すまでは、仕事が終らないと思ったのであろう。

トラックは三十分ばかり走って、カガヤン河の河口に着いた。風が強く海からは黄色い波が打ちよせる。LSTが二艘、砂に乗り上げている。一艘は船尾がパクリと二つに割れて、そこから鉄板の舷梯が出ており、もう一艘のは左舷に、これも鉄の ramp が出ている。僕等はその後者に乗るようにいわれた。コンクリートの防波堤をすこし歩き、粗末な木の梯子で砂地に下りる。