Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme
廻った兵隊もいたが、結局飲んでしまった後で、僕は御馳走になれなかった。しかしこの「戦争の終ったのを祝って」という言葉を、僕はしみじみと味わってみた。彼等は戦争に「勝った」のをよろこんでいるのではない。よろこんでいるかも知れないが、それよりも戦争の終った方がうれしいのである。これは僕をして感慨にふけらした。というのが、僕は第一次世界戦争の最中に第一回の渡米をし、十一月十一日の終戦日をはさんでから翌年の夏まで米国にいた。その時米国内では「戦争に勝ったのは我々だ」―― We won the War. という言葉が燎原の火のようにひろまった。今ここで僕が説明するまでもなく、第一次世界大戦は、米国の参戦によって形勢が一変したようなものなのだから、米国人が「戦争に勝ったのは我々だ」といっても一向に不思議ではないが、いたる所でこれを見、これを聞き、おしまいにはセルロイドのバッジにしてボタン・ホールにさして歩き廻る人々さえ出て来るに及んで、この戦争に最初から参加し、あらゆる苦難をなめた他の国の人は、どんな感じがすることだろうと、内心、若干気になっていた。
さらに話は前後するが、参戦ときまるや否や、ほとんど全米をあげて、反ドイツ運動が行われた。