Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme
みんなブーブーいったが、どうにもならず、一生懸命にバンカを追った。すると右手にちょっとした支流があり、そこの赤土の岸にバンカがついた。我々もボートをつけ、そこからグチャグチャな小径を、ものの二キロも歩いて、やっと村の入口らしい所についた。
比島の田舎で普通に見受ける景色だ。椰子の木立があり、カモテやカモテン・カホイの畑があり、そこにニッパの小屋が立っている、そんな家が二、三軒あった。そこは、さっきボートで上って来た川の右岸だが、相当大きな、頑丈な橋を渡って左岸へ行くと、そこから突如幅の広い道路が始まり、木造家屋の町になる。いつの間にか我々四人は、数名の比島人にとりかこまれていた。町長の家というのに案内される。ここで日本兵は約四十名いるが、病人は一人も出ていないこと、彼等は附近の農家で働いていること、ゲリラは五百人でこの村の人口は五千人、食物がなくて困っていることなどを知った。とりあえず日本の指揮官を呼んでくれと、R大尉がいうと、それではこっちへ来なさいという訳で、別の家へ行った。そこの二階のヴェランダみたいな所に椅子を持ち出し、米軍の将校は腰を下したが、僕は手摺によりかかっていた。