Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme
はじめから田舎にでも住めば、タガログ語も上手になったろうが、マニラで英語のよく出来る人達とばかり交際していたもんだから、その点損をした。そんなことをいっても仕方がないから黙っていると、今度は「お前は英語が分るらしいが、マニラに三年しかいなかったにしては、よく英語が分るようになったな」とほめてくれた。
こんな話をしていると、「キャプテンが来た!」という声がして、日本人がやって来た。階級章は取外しているが、将校の軍服であり、但し帽子は比島のそれ、足は素足である。このN少尉を通じて、担送患者は一人もいない事実をたしかめ、明日早朝全員乗艦するように、今夜中に命令を伝達することをいい、僕等はその家を去った。
ボートは依然として水びたしだったが、海は満汐で、今度は歩かないで済んだ。六時頃にLSTに帰り、いつ迄たっても「イシ、チャウ!」の声がかかって来ない。僕はビスケットもチーズもチョコレートも、とても二度や三度では食べ切れぬ位持っていたが、もし晩飯が出来ているんだと無駄になると思い、折から通りかかったB中尉に「晩飯はどうしたものでしょうか」と聞いて見た。「君はまだ食っていないのかい。