Japanische Klassiker mit Furigana
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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Lesen Sie 江戸前の釣り (えどまえのつり) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.910 Zeichen · 214 Bildschirme
どこかに白髪の仙人がいて、
「オオ、金馬、よくもきたれり。ともに釣りせん」
とでもいわれそうな気分になる。
イタドリを割って虫を出し、チョンがけにして流すと、岩陰からヌーッと顔を出したのが七、八寸ぐらいのイワナ。飛びついてくるかと思うと、ぼくの姿が見えたのか、スーッと、またもとの岩陰へかくれてしまう。餌を替えて、川虫をつけてみたが出てこない。さらばと蛾をつけてみたが駄目。つまり、金馬がイワナに釣られたようだ。
フト見ると、地下足袋の跡がある。これはいけない。もう先客があったのかと一丁ほど上へ行く。納豆箱からおりて地蔵前、大滝までくると、大樹の朽ちて倒れたところがある。その下陰へ道糸を六尺ぐらいにつめて、青葉カゲロウ(エサの虫)をつけ、息をころして静かに水の上面を流すと、どこから飛び出してきたか、いきなりガバーッと、もうれつな引き。あまりにも突然なので、全身の毛穴が総毛立つ。
しばらくは魚の姿が見えない。道糸が切れやしないかと心配する。竿は満月、魚の引くままに、五、六間下へさがる。ためつなだめつするうちに、ちらりと見えた一尺以上もあるイワナの顔。こいつは大物だと思うと、いっそう胸がドキドキして、あせりが出てくる。