Japanische Klassiker mit Furigana
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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Lesen Sie 江戸前の釣り (えどまえのつり) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.910 Zeichen · 214 Bildschirme
「沖の暗いのに潮通しがわかるとは、『かっぽれ』みたいですね。それじゃ、まっくらで脚立へあがって、手さぐりで仕かけをつけるのですね」
「暗いうちに脚立へ乗っていると、空の星がひとつふたつと消えていく。だんだん四方が明るくなる。それに初夏だ。見ると、点々と脚立が見えてくる。上に人がすわっている。海のまん中で夜明けを待つ。これが江戸者には千両の値うちがある」
「前ビクというのですか、あの長い網に箱のついたものは」
「脚立の上から海におろすのだから長いが、江戸前と向こう地では一尺ぐらい脚立もビクも違う」
「それだけ向こう地は浅いというわけですね。ビクの入口にレザーがつけてあるのは」
「キスは釣りあげて手でつかむと、必ず先へ抜けて、よく逃げられることがある。それでビクの口の中でキスを下向けにして針をはずす。近ごろは、ギャングという仕かけが多くなって、食わせて釣れないから、スレ針で引っかける。その針が網に引っかかると、取りはずすのに手間がかかる。何の魚でもそうだが、キスは特別に集団性があって、一尾で泳いでいるなんてえのは少ない。一尾釣れたらすぐあとの打ち返しを早くやる。