Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme
「ざまあ見やがれ、」とふてを吐いて、忘れずに莨入を取って差し、生白い足を大跨にふいと立って出ようとする。
「待ちゃあがれ。」
「ええ、」
「悪戯をしたなあ、源の野郎、手前だな。」
「いいえ、私だ。」とすっきりいって、ずッと入ったのは大和屋の姐さんで、蔦吉という中年増。腕も器量も凄いのが、唐桟ずくめのいなせな形で、暴風雨に屋根を取られたような人立のする我家の帳場を、一渡しながら、悠々として、長火鉢の向側、これがその座に敷いてある、黒天鵝絨の大座蒲団にきちんと坐って、「寒い。」と肩を一つ揺っておいて、
「皆静にしておくれ、お蝶さんお前もおすわり。」
「何ですッて、」と蝶吉は目を据えて立ったまま、主婦が方に向直って、
「悪戯をしたなあ、お前さん、」と屹という。
「あい、私さ、」
「何、」
「突立って、何だ。」
「坐ったらどうおしだい。」
「おやおや、この女は、目が上ってるよ、水でもぶッかけておやんなね。」
「まあ、姐さん、」とばかりで円輔は遣瀬がない。
「お蝶私は主人だよ。」
「は、私お前さんの抱妓じゃありません、誰が、そんな水臭い、分らない奴に抱えられるもんか。人が知らないと思ってさ、薬を飲ませてさ、そのせいで、私逢えないんじゃありませんか、命もいらない人よ。