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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆしまもうで

湯島詣

泉 鏡花

Lesen Sie 湯島詣 (ゆしまもうで) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.004 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

「よう!」と長火鉢の前から奇な声を発して応じたものあり。内の姐さんか、あらず、傭の婆さんか、あらず、お茶を碾いてる抱妓か、あらず、猫か、あらず。あらず。あらず。湯島天神中坂下の松の鮨の忰源ちゃんである。この男銭を遣わずに女の子と遊ぶのをもって、通と悟ったから耐らない。数寄屋町の御神燈の下を潜る事、毎夜あたかも燕のごとしで、殊にこの大和家には、蝶吉という、野郎首ッたけの女が居るから、その取入ること一通ではなく、余所の障子を張ってやりの筆法で芸妓の用達から傭婆の手助までする上に、隙な時は長火鉢の前で飼猫の毛を梳いている。運が好いと、雛妓の袖を引張ることも出来るし、女中の臀を叩くことも出来るのが役得。蝶吉に肱鉄砲を食ッて、鳶頭に懐中の駒下駄を焼かれた上、人の妓を食おうとする、獅子身中の虫だとあって、内の姉御に御勘気を蒙ったのを、平蜘蛛で詑を入れて、以来きっと心得まするで、何卒相変りませず、今夜も来ている。

あいにく抱妓どもは皆出を勤めて居らず、女中は忙しいし、姉御は用達にお出懸けなり、火鉢の灰は綺麗だし、注す後から鉄瓶の湯は煮立つので、色男余の所作なさに、猫を撫でたり、擦ったり、どうしたなどと、言って見たり、耳を引張ったり、髯の数を数えたり、様々に扱うと、畜生とて黙っておらず、ニャアと一声身顫をして駈出そうと