Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
鉄管と鉄管との、わずかの隙に目をあてて、天狗岩の怪物体をにらみつけている。
その時、かの爆弾のような形の、大きな怪物体が、突然すうっと動き出した。いや、動くというよりも、横に倒れ出したのである。
「あっ、あぶない」
と、千二が叫んだ時には、もうかの怪物体は、天狗岩の上に横倒しとなって、ごうんとぶつかった。そうして、ぶつかった勢いで、こんどは、ぽうんと天狗岩からはねあがった。
「あっ、おっこちる」
千二は、手に汗をにぎって、怪物体を見つめていた。
すると、かの怪物体は、にわかにその光る姿を消してしまった。
「おや、どうしたのか」
と、千二がいぶかる折しも、どぼうんという大きな水音が聞えた。大地がみしみしと、鳴ったくらい大きな水音だった。
「ああ、とうとう湖水の中におっこってしまった!」
千二は、驚きとも喜びともつかない声をあげた。
それっきり、かの怪物体は見えなくなった。天狗岩も、また元の闇の中に消えてしまった。
「ふうん、今のは夢じゃなかったかな」
千二は、自分の顔をつねってみた。痛かった。たしかに痛かった。では、夢ではない。
千二は、鉄管をはい出した。もう大丈夫だろうと思ったから。