Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
夜はことに驚かれた。路のほとりに若い男女がいく組みとなく立ち話をしている。闇には、白地の浴衣がそこにもここにも見える。笑う声があっちこっちにした。
今年の夏休みがやがて来た。小畑と郁治とは高等師範の入学試験に合格して、この九月からは東京に行くことにきまった。桜井は浅草の工業学校に入学した。その合格の知らせが来たのは五月ごろであったが、かれは心の煩悶をなるたけ表面に出さぬようにして、落ち着いた平凡なふつうの祝い状を三人に出しておいた。六月に、行田に行った時に、ちょっと郁治に会ったが、もう以前のような親しみはなかった。会えば、さすがに君僕で隠すところなく話すが、別れていれば思い出すことがすくなく、したがって、訪問もめったにしなかった。
美穂子にも一度会った。頬のあたりが肥えて、眼にはやさしい表情があった。けれど清三の心はもうそれがために動かされるほどその影がこくうつっておらなかった。ただ、見知り越しの女のように挨拶して通った。やがて八月の中ごろになって郁治は東京に行った。石川もこのごろは病気で鎌倉に行っている。熊谷の友だちで残っているものは、学校にいるころもそう懇意にしていなかった人々ばかりだ。