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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

清三もつまらぬから、どこか旅でもしてみようかと思った。けれど母親の苦しい家計を見かねて五円渡してしまったので、財布にはもういくらも残っていない。近所の山にも行かれそうにもない。で、月の二十日には、どうせ狭い暑い家に寝てるよりは学校の風通しのよい宿直室のほうがいいと思って、弥勒へと帰って来た。途中で、久しぶりで成願寺に寄ってみると、和尚さんは昼寝をしていた。

風通しのよい十畳で話した。和尚さんはビールなどを出してチヤホヤした。ふと、そこに廂髪に結って、紫色の銘仙の矢絣を着て、白足袋をはいた十六ぐらいの美しい色の白い娘が出て来た。

帰りに荻生さんに会って聞くと、

「あれは、君、和尚さんの姪だよ。夏休みに東京から来てるんだよ。どうも、田舎の土臭い中に育った娘とは違うねえ。どこかハイカラのところがあるねえ」

こう言って笑った。荻生さんはいぜんとしてもとの荻生さんで、町の菓子屋から餅菓子を買って来てご馳走した。郵便事務の暑い忙しい中で、暑中休暇もなしに、不平も言わずに、生活している。友だちのズンズン出て行くのをうらやもうともしない。清三の心持ちでは、荻生さんのようなあきらめのよい運命に従順な人は及びがたいとは思うが、しかしなんとなくあきたらないような気がする。