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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

どうしてああ野心がないだろう。どうしてああ普通の平凡な世の中に安心していられるだろうと思っていた。時には自分とは人間の種類が違うのだとさえ思ったことがある。それが今ではまるで変わった。かれは日記に「荻生君はわが情の友なり、利害、道義もってこの間を犯し破るべからず」と書いた。また「かつてこの友を平凡に見しは、わが眼の発達せざりしためのみ。荻生君に比すれば、われははなはだ世間を知らず、人情を解せず、小畑加藤をこの友に比す、今にして初めて平凡の偉大なるを知る」と書いた。

前の足袋屋から天ぷら、大家から川魚の塩焼きを引っ越しの祝いとして重箱に入れてもらった。いずれも「あいそ」という鱗のあらい腹の側の紅い色をした魚で、今が利根川でとれる節だという。米屋、炭屋、薪屋なども通いを持って来た。父親は隣近所の組合を一軒一軒回って歩いた。清三は午後から二階の六畳に腹ばいになって、東京や行田や熊谷の友人たちに転居の端書を書いた。寺にも出かけて行ったが、ちょうど葬式で、和尚さんは忙しがっていたので、転居のことを知らせておいて帰って来た。

大家の主人はおもしろい話好きの人であった。