Japanische Klassiker mit Furigana
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がらすどのうち
硝子戸の中
Lesen Sie 硝子戸の中 (がらすどのうち) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.702 Zeichen · 105 Bildschirme
十五
と忠告した。その紙入の中には五十両ばかりあったとかいう話である。泥棒が出て行ったあとで、「余計な事をいう女だ」と云って、父は母を叱りつけたそうである。
その事があって以来、私の家では柱を切り組にして、その中へあり金を隠す方法を講じたが、隠すほどの財産もできず、また黒装束を着けた泥棒も、それぎり来ないので、私の生長する時分には、どれが切組にしてある柱かまるで分らなくなっていた。
泥棒が出て行く時、「この家は大変締りの好い宅だ」と云って賞めたそうだが、その締りの好い家を泥棒に教えた小倉屋の半兵衛さんの頭には、あくる日から擦り傷がいくつとなくできた。これは金はありませんと断わるたびに、泥棒がそんなはずがあるものかと云っては、抜身の先でちょいちょい半兵衛さんの頭を突ッついたからだという。それでも半兵衛さんは、「どうしても宅にはありません、裏の夏目さんにはたくさんあるから、あすこへいらっしゃい」と強情を張り通して、とうとう金は一文も奪られずにしまった。
私はこの話を妻から聞いた。妻はまたそれを私の兄から茶受話に聞いたのである。
十五
私が去年の十一月学習院で講演をしたら、薄謝と書いた紙包を後から届けてくれた。