Japanische Klassiker mit Furigana
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がらすどのうち
硝子戸の中
Lesen Sie 硝子戸の中 (がらすどのうち) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.702 Zeichen · 105 Bildschirme
七
ただ先生に聞いていただくだけにしておきますから、どうかそのおつもりで……」
私はそれに対してこう答えた。
「あなたの許諾を得ない以上は、たといどんなに書きたい事柄が出て来てもけっして書く気遣はありませんから御安心なさい」
私が充分な保証を女に与えたので、女はそれではと云って、彼女の七八年前からの経歴を話し始めた。私は黙然として女の顔を見守っていた。しかし女は多く眼を伏せて火鉢の中ばかり眺めていた。そうして綺麗な指で、真鍮の火箸を握っては、灰の中へ突き刺した。
時々腑に落ちないところが出てくると、私は女に向って短かい質問をかけた。女は単簡にまた私の納得できるように答をした。しかしたいていは自分一人で口を利いていたので、私はむしろ木像のようにじっとしているだけであった。
やがて女の頬は熱って赤くなった。白粉をつけていないせいか、その熱った頬の色が著るしく私の眼に着いた。俯向になっているので、たくさんある黒い髪の毛も自然私の注意を惹く種になった。
七
女の告白は聴いている私を息苦しくしたくらいに悲痛を極めたものであった。彼女は私に向ってこんな質問をかけた。