Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

がらすどのうち

硝子戸の中

夏目 漱石

Lesen Sie 硝子戸の中 (がらすどのうち) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.702 Zeichen · 105 Bildschirme

Aozora Bunko

「そりゃ日本語で間に合いますよ。異人だって、近頃は日本語が解りますもの」

「へええ、向でも何とか云うのかね」

「云いますとも。ペロリの奥さんなんか、あなたよろしいありがとうと、ちゃんと日本語で挨拶をするくらいです」

みんなは益さんをここまでおびき出しておいて、どっと笑うのである。それからまた「益さん何て云うんだって、その奥さんは」と何遍も一つ事を訊いては、いつまでも笑いの種にしようと巧らんでかかる。益さんもしまいには苦笑いをして、とうとう「あなたよろしい」をやめにしてしまう。すると今度は「じゃ益さん、野中の一本杉をやって御覧よ」と誰かが云い出す。

「やれったって、そうおいそれとやれるもんじゃありません」

「まあ好いから、おやりよ。いよいよ野中の一本杉の所まで参りますと……」

益さんはそれでもにやにやして応じない。私はとうとう益さんの野中の一本杉というものを聴かずにしまった。今考えると、それは何でも講釈か人情噺の一節じゃないかしらと思う。

私の成人する頃には益さんももう宅へ来なくなった。おおかた死んだのだろう。生きていれば何か消息のあるはずである。しかし死んだにしても、いつ死んだのか私は知らない。