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Japanische Klassiker mit Furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Lesen Sie 苦心の学友 (くしんのがくゆう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.732 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

照彦様もベッドに寝ころんだ。切ったあとがチクリチクリ痛む。しかしここが大和魂の見せどころだと思ってがまんしている。

しばらくすると藤岡先生がはいってきて、

「なるべくお休みになる方がよろしゅうございますから、もうおひきとりを願いましょうか? 看護婦と家内をつけておきますし、私が時々見まわります。けっしてご心配はございません」

といった。

「それでは照彦や、私たちはもう帰りますよ」

「…………」

「内藤さん、よろしく頼みます」

「はあ」

「あら、お起きにならなくてもいいのよ、あなたも病人です」

と奥様はまた目まぜをした。

「それでは若様、臍下丹田のご工夫をおわすれにならないように。内藤君、きみもシッカリ」

とこれは安斉先生だった。

皆が行ってしまったあとで、照彦様は頭をもたげた。

「内藤君」

「はあ」

「後から痛いといったが、そんなでもないね」

「そうですか?」

「きみはどうだ?」

「僕は何ともありません」

と正三君は切らないのだからじっさいなんともあるはずがない。

「大きなことを言うな。僕は知っているぞ」

「なんですか?」

「切った時に泣きそうになったくせに」

「そんあことはありません」