Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
とか「御詑びの申様も無之」などと書いて来ると云うのは、あんまり見当が違い過ぎる。あの文言をそのまま素直に取ってくれたら「深く耻入る」筋はないのだし、なるたけ気の毒な思いをさせまいと注意して書いたつもりであるのに、矢張一往は恐縮した挨拶をするのが礼儀と云うものであろうか。
「僕はこの手紙には大分掛け値があると思うね。こう云う昔風な文体を使えば内容だって旧式にしなければ映りが悪いから、こいつも趣味で書いているんで、お腹の中はこれほど悲歎やる方ないんでもないと思うよ。折角人形を飾って嬉しがろうとしていた矢先を、癪に触ったぐらいなんじゃないか」
美佐子はそんなことはどうでもいい、とうに超越していると云う風に、やや青ざめた顔を、全く無表情に落ち着かしていた。
「どうする、お前は?」
「どうすると云って………」
「一緒に行くか」
「あたしイヤだわ」
その「イヤ」と云う言葉をさもイヤらしく彼女は云った。
「あなたが行って話して来て頂戴よ」
「けどもこう云って来てるんだから、とにかくお前も行かないじゃなるまい。僕は、会ってさえしまえば案ずるよりは生むが易いと思っているんだ」
「話が分ってから行くわよ。