Japanische Klassiker mit Furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme
「なあに、おとなしい犬だから大丈夫だよ、弘君でも連れて行かれるよ」
「噛まない? 小父さん」
「絶対に噛まない、どんな事をしたって平気なもんだ。君が行ったら直ぐ飛び着いてお世辞を使うよ」
「何という名?」
「リンディー。―――リンドバーグのことだよ、ハイカラな名だろう?」
「小父さんがお附けになったの?」
「西洋人が持っていたんで、前からそんな名が附いていたのさ」
「弘」
要は、犬の話で夢中になっている子供を呼んだ。
「お前はちょっと下へ行ってじいやを連れておいで。ボーイだけでは手が足りないから」
「元気じゃないか、見たところでは。―――」
何か嵩張った重そうな包みを寝台の下からずるずる引きずり出しながら、出て行く弘のうしろかげへ眼をやって高夏は云った。
「そりゃ子供だから、元気は元気だが、あれでなかなか神経質になっているんだ。手紙にそんなところはなかったかね」
「なかったね、別に」
「尤もそりゃあ、まだどうと云って形を取った心配がある訳ではなし、子供としては何とも書きようはない筈だけれど、………」
「ただ最近、前より頻繁に手紙を寄越すようになってはいた。やっぱり何かしら淋しい気持がしたのかも知れない。