Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

たのと、全く同じ寸法の輪を取り出しました。

「妙なものを――何時の間に用意したんです?」

八五郎が鼻の穴を大きくして眺めます。

「あの金の環を受取った時、すぐ寸法を取って、町内の錺屋に頼んで手に入れたんだ。とんだ役に立ったよ。もっともあれは金無垢だったが、おれは貧乏だから鉄で間に合せたよ。種を明かせばこいつは牛の鼻ぐりさ、黄金の環が牛の鼻ぐりで間に合うとは、斑組の首領も気がつかなかったろう」

平次は面白そうに笑いながら、箱の穴に件の鉄の輪を滑り込ませました。

中でコトリと音がしたように思いましたが、どんな仕掛けがあったものか、平次の引く手に従って土中の箱の蓋は簡単に開き、続いて腕を突っこんだ八五郎が恐ろしく丈夫な風呂敷に包んだ小判を、幾つも幾つも土手の芝の上に小山の如く積み上げます。

「これで皆んなですよ、親分」

「御苦労御苦労、二、三千両はあるだろう。風呂敷へ包んで手軽に持ち運び、石垣の奥に埋めた大箱の中に投り込んだのは悧口だな」

平次は近江屋半兵衛の細工の巧妙さに舌を巻いております。

「ところで、これを持って行きますか」

「船まで運ぶが宜い。今度は隅田川を下るのだ」