Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
「なかったよ小父さん」
匕首を拾って、一朱せしめた子供達はまだ何にか落ちているんじゃあるまいかと思う様子で、未練らしく石垣のあたりを粘っております。
「匕首と鞘は別々に投ったか、それとも水の中で抜けたか――兎も角鞘を見つけたら、持って来てくれよ、褒美はやるぜ」
「有難てえな、小父さん」
子供達はもう鞘を見つけたような気持になって居るのです。
「ところで八、大変なことを思い出したが――」
平次は八五郎を呼びつけました。恐ろしく突き詰めた顔をしております。
「何んです親分」
それを迎える八五郎の顔の長閑さ。
「あの樽拾いの小僧に見張りをつけるんだ。糸目を忘れたのが、とんだ手落ちにならなきゃ宜いが」
平次はひどく気をもんで居る様子です。
「親分、あの小僧の行方はわかりませんよ」
八五郎が平次の家へ報告を持って来たのはその晩――まだ宵の内でした。
「仕様がねえな、もっともこいつはおれの手落ちだったが」
「佐久間の仁助店も覗きましたが、暗くなるのにまだ帰っていませんよ。佐久間町の路地の奥で、雀の巣のような家ですがね、母親一人に子供が六人という大世話場で、あの子は二番目の見掛けに寄らぬ働き者だそうですよ」