Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 157.440 Zeichen · 313 Bildschirme
そこまで私を送って来てくれた女の人」
お静はいきなり外へ飛び出しそうにするのです。
「何処へ行くんだ、お静」
「五重の塔から、私を救い出してくれた人は、ここまで私を送ってくれました。八五郎さん、その辺に若いお内儀さんがいなかったでしょうか」
お静の記憶は蘇がえったのです。
「そういえば路地の中に、小意気な年増が一人、思案に余った様子で立っていましたよ。橋の上か松の木の下だと、こいつは放って置けねえが、路地の中じゃ首吊りの足場もねえ、多分逢引くずれか何んかだろうと気にも留めなかったが――」
「その人ですよ八五郎さん。私のためには命の恩人、丁寧にここへ案内して下さいな。しみじみお礼を申し上げ度い」
「よし来た」
八五郎は飛び出しました。それから暫らくの間、路地の中で何やらゴトゴト揉んでおりましたが、やがて一人の年増――夜眼にも咲き匂うような二十一、二の女を一人、無手と手首などをつかんで、引っ立てるような恰好でつれて来たのです。
「あれさ、八五郎親分。そんなに引っ張ると手首が抜けるじゃありませんか」
少し媚めかしい鼻声です。
「可愛らしい腕が抜けたら、オガ屑が出るだろう――まア安心しておれと一緒に来るが宜い。