Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme
で、二天画の祖師像に賛している東寔敬題の下の印章についてもG氏は一見すると直ぐ、
ああこれと同じ印章が、寺の所蔵の物にも捺してありますよ、字劃寸法まったく同一です。その印は、一行の幅に捺してあるばかりでなく、何か檀家の法号か何かを書いてやった小さな反古にも捺してあった物があったと思う。こんど蔵を探して出たらお目にかける。
今年の春になって、そのG氏から、御親切に同じ印の捺してある愚堂の書幅と、大愚の文字など、種々、写真に撮ったのを送って下すった。両者つきあわせてみると、寸分異っている所も見出せなかった。
折ふしまた、篆刻家のM翁が、ぶらっとやって来た。この翁もまた、ひどく変った人で当代の画家では大観、靫彦、蓬春氏はじめ、この人の篆刻はみな愛しているらしいが、御当人は東京府の老人ホームにいて、仙人みたいに飄々としている恬淡な老人である。
私とは十数年前、お互いに震災後の東京から焼け出され、その頃は芋畑やキャベツ畑ばかりで人家も稀れだった高円寺に住んでいた頃、駅の附近の町へ出ると、よく会う老人がひょこひょこ歩いているので、話してみると、篆刻をやるといい、家族もあらまし焼死して、老人ホームにいるのだとのことに、その時、英治という印を刻ってもらったのを、今もって失くさずに用いているのである。