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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.786 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

後に武蔵が、細川家の客分となって熊本に落着くと、この永国も彼の後を慕って、熊本へ移住して来た。そして武蔵の推挙に依って、それから永国は三十人扶持で細川家に抱えられ、代々、藩の刀鍛冶として、城下の高田原楠町に住んでいたそうである。

こういう話の残っているのをみても、武蔵が鑑刀にも一見識を持っていたことが分るし、殊に刀剣は身につける物のうちの何物よりも、愛しもしたろうし、潔癖にそれを選んで私用としたに違いない。

有名な彼の「独行道」の言葉のうちにも、彼は、物事に好きこのむ事なし、とかまた、美宅古道具などを所持せず、とかいう箇条を挙げて、自分で贅沢を誡めているが、刀だけはべつとみえて、その一ヵ条に、

兵具は格別、余の道具たしなまず

と、わざわざ云い訳のように書き添えている。

武蔵が刀に優れた名作を求めるのは、むしろ当然なたしなみといえるのに、こう断っている所など見ると、よほど刀は好きだったらしいと想像されて、何となく微笑まれる。

こう想像して来ると、重要美術に指定された一点もまた、従来諸方から武蔵の遺品として出ている数々の刀も、それぞれ何らかの由緒があって、武蔵の生涯のうちに、たとえ三年か四年の或る間だけでも、彼の手に愛された品であろうと思われる。