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Japanische Klassiker mit Furigana

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せいねんのしさくのために

青年の思索のために

下村 湖人

Lesen Sie 青年の思索のために (せいねんのしさくのために) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.550 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

ところが、百足虫は決してそうはしない。かれは、あくまでも、道は棒の尖端からどこかにつづいているもの、と思いこんでいるらしく、いつまでも空をさぐりつづける。日が暮れても、夜があけても、雨がふっても、日が照っても、自分の足で抱きしめている細い棒のさきの、ごくせまい範囲の空だけをしつこくさぐりつづける。それは、見ようによっては、実に感激にあたいするほどの根気である。

このごろ、人間の世界に、時々見かける煙突男のように、いくらかの食料をもって、じっと毛布か何かにくるまっているのとちがって、まるっきり飲まず食わずで、頭をふりつづけるのだから、まったくもって驚かざるを得ないのである。

しかし、いくら百足虫の生活力が強いといっても、それが無限につづくわけのものではない。その滞空記録は、煙突男よりはるかにまさっているとしても、早晩、かれの足の力が、かれのからだの重みをささえるには、弱すぎる時が来るのである。その時期が、七日目であるか、十日目であるか、十五日目であるかは、百足虫の年齢と、天候、その他の事情とによって、いくらか違うであろうが、結局、地上に落ちて来ることに、間違いはないのである。