Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さんごくし

三国志(一)

吉川 英治

Lee 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 309.839 caracteres · 622 pantallas

Aozora Bunko

わしの命数も、この容子ではいつとも知れないから、今のうちに是非、確たる後継者をきめておきたいが」

「ごもっともです」

糜竺は、老太守の意中を察しているので、自分からすすめた。

「もう一度、劉玄徳どのをお招きになって、懇ろにお心を訴えてごらんになっては如何ですか」

陶謙は、重臣の同意を得、少し力づいたものの如く、

「早速、使いを派してくれ」と、いった。

使いをうけた玄徳は、取る物も取りあえず、小沛から駈けつけて、太守の病を見舞った。

陶謙は、枯木のような手をのばして、玄徳の手を握り、

「あなたが、うんと承諾してくれないうちは、わしは安心して死ぬことができない。どうか、世の為に、また、漢朝の城地を守るために、この徐州の地をうけて、太守となってもらいたいが」

「いけません。折角ですが」

玄徳は、依然として、断りつづけた。そして――

(あなたには、二人のご子息があるのに)と、理由を云いかけたが、それをいうとまた、重態の病人が、出来の悪い不肖の実子のことについて、昂奮して語り出すといけないので、――玄徳はただ、

「私は、その器でありません」と、ばかり頑なに首をふり通してしまった。