Clásicos japoneses con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lee 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 312.452 caracteres · 628 pantallas
「痛いか。苦しいだろう」と、友の魏続が慰めると、
「おれも武人だ。苦痛で哭くのではない」といった。
「――では、なんで哭くのか」
魏続が聞くと、侯成は、枕頭を見まわして、
「今、ここにいるのは、君と宋憲だけか」
「そうだ……。この三名は日頃から何事もへだてのない仲だ。なんでも安心して話し給え」
「……ではいうが呂将軍に恨みとするのは、われわれ武人は芥のごとく軽んじ、妻妾の媚言には他愛なく動かされることだ。このような状態では、遂に、われわれは犬死するほかあるまい――おれはそれを悲しむのだ」
「侯成! ……」と宋憲は寄り添って、彼の耳もとへ熱い息でささやいた。
「まったくだ。実に、それがし達もそれを悲しむ。いっそのこと、城を出て、曹操の陣門に降ろうではないか」
「……でも、城壁の四方は滔々たる濁流だろう」
「いやまだ東の関門だけは、山の裾にかかっているので、道も水に浸されていない」
「そうか……」
侯成は、血の中から眼を開いて、ぽかっと天井を見ていたが、不意に、むっくりと起き上がって、
「やろう! 決行しよう。……呂布が頼みにしているのは赤兎馬だ。彼はわれわれ大将よりも赤兎馬を重んじ、婦女子を愛している。