Clásicos japoneses con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lee 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 312.452 caracteres · 628 pantallas
鶏鳴
一
「おお……」
「爾余の十人よりも、この人ひとりを迎えれば、われわれの誓いは千鈞の重きを加えよう。……なおなお、ありがたいことには、玄徳と彼の義兄弟のあいだにも、いつかは曹操を討たんとする意志があることだ」
「それはどうして分りますか」
「御猟の日、傍若無人な曹賊が、帝のおん前に立ちふさがって、諸人の万歳をわがもの顔にうけた時、玄徳の舎弟関羽が、斬ッてかかりそうな血相をしておった。思うに玄徳も、機を計って、隠忍しておるに相違ない」
馬騰のことばに、董承はじめ同志の人たちは、はや黎明を望んだように、前途に意を強うした。
しかし、玄徳の人物をよく知っているだけに、彼をひき入れることは容易ではないと思った。大事の上にも大事を取ったがよかろうと、その日は立別れて、おもむろに好い機会を待つこととした。
鶏鳴
一
昼は人目につく。
董承は或る夜ひそかに、密詔をふところに秘めて頭巾に面をかくして、
「風雅の友が秦代の名硯を手に入れたので、詩会を催すというから、こよいは一人で行ってくる」
と、家人にさえ打明けず、ただ一人驢にまたがって、玄徳の客館へ出向いて行った。
それも、ふと曹操の密偵にでも見つかって、あとを尾行られてはならぬと、日頃、詩文だけの交わりをしている風雅の老友を先に訪ね、わざと深更まではなしこんで、夜も三更のころ気がつい