Clásicos japoneses con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lee 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 312.452 caracteres · 628 pantallas
「しかたがない。――では、別室でちょっと会おう」
遂に、董承も根負けして、ぜひなく病態をつくろって、馬騰をべつな閣へ通した。
西涼の太守馬騰は、ぷんぷんおこりながら客院へ入ってきた。そして主の顔を見るなりいった。
「国舅は、天子のご外戚、国家の大老と敬って、特に、おわかれのご挨拶に伺ったのに、門前払いとは、余りなお仕打ちではないか。何かこの馬騰に、ご宿意でもおありでござるか」
「宿意などとはとんでもない。病中ゆえ、かえって失礼と存じたまでのこと」
「それがしは、遠い辺土の国境にあって、西蕃の守りに任じ、天子に朝拝する折もめったになく、国舅とも稀にしかお目にかかれんで、押してご面会をねがったわけだが――こう打見るところ、さしてご病中のようにも見られぬ。何故、それがしを軽んじて、門前から逐い返さんとなされたか。近ごろ心得ぬことではある」
「…………」
「なんでご返辞もないか」
「…………」
「うつむいたまま唖の如く一言もないとは、どういうわけだ。――ああ、今まで、御身を、馬騰はひとりで買いかぶっていたとみえる」
憤然と、彼は席を立ちながら、主の沈黙へ唾するように云い捨てた。