Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lee 三国志(三) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 312.452 caracteres · 628 pantallas

Aozora Bunko

そのたび曹操はすぐ話をそらすに努めながら、心のうちで、関羽の忠義に感じたり、反対に、ほろ苦い男の嫉妬や不快を味わいなどして、すこぶる複雑な心理に陥るのが常であった。

つぎの日。

朝に参内することがあって、曹操は関羽を誘い、そのついでに、錦の髯嚢を彼に贈った。

帝は、関羽が、錦のふくろを胸にかけているので、怪しまれて、

「それは何か」と、ご下問された。

関羽は嚢を解いて、

「臣の髯があまりに長いので、丞相が嚢を賜うたのでござる」と、答えた。

人なみすぐれた大丈夫の腹をも過ぎる漆黒の長髯をながめられて、帝は、微笑しながら、

「なるほど、美髯公よ」と、仰っしゃった。

それ以来、殿上から聞きつたえて、諸人もみな、関羽のことを、

「美髯公。美髯公」と、呼び慣わした。

朝門を辞して帰る折、曹操はまた、彼がみすぼらしい痩馬を用いているのを見て、

「なぜもっと良い飼糧をやって、充分に馬を肥やさせないのか」と、武人のたしなみを咎めた。

「いや、何せい此方のからだが、かくの如く、長大なので、たいがいな馬では痩せおとろえてしまうのです」

「なるほど、凡馬では、乗りつぶされてしまうわけか」