Classiques japonais avec furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Lisez 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 786 caractères · 278 écrans
従って、中条流から派生した富田流は、加賀にも繁栄して、越前浄教寺村以外、その門流はかなり多かったらしい。おそらく小次郎もそういった後代の富田門から出身した一人ではあるまいか。
武蔵が船島で小次郎と試合うために、船中で削って行った櫂の折れの木太刀というものが、細川家に残り、それが今も九州に伝来されているということは前から聞いていた。
先頃京都の清水寺の一院で、土地の文学演劇壇方面の関係者、美術家、実業家などが一夕集まって、僕を中心に、武蔵の話をしたことがある。その時、O氏が、武蔵の使用した櫂の写しという物を持って来て、皆に見せた。
ちょっと持って見ると、僕らには、両手でも重くてうかつには持ち上げかねる重さである。木は赤樫で、四尺七、八寸ある。櫂なので握りも太い。これに水分が加わっていたら普通の力では振るには困難であるし、正眼に持っていたら、支えているうちに疲れてしまうだろうと思われる。
小次郎が、これで打たれたとすれば、脳骨が砕けたことは当然だろう。しかし、これが木剣のように自由に振れるかしらということが、誰にも疑問に考えられた。O氏はそれを僕に贈ってくれたので、東京へ持ち帰ったが、持って帰るにもかなり厄介な重量だった。